鳥取市鹿野町の河内(こうち)という集落は鷲峰山(じゅうぼうざん)の麓にあり河内川が流れる自然豊かな土地です。ここはもともと農業がさかんで、地区の多くの人々が田んぼで稲作をしていました。ところが高齢化とともに農業から離れる農家さんが一軒、二軒と出てきてもう農地として使われない場所が出てきました。「このままでは土地が荒れていくだけでなく、この地域の活気も失われてしまう」集落を大切に思う人たちはそんなことを考えはじめました。
鳥取市鹿野町の河内(こうち)という集落は鷲峰山(じゅうぼうざん)の麓にあり河内川が流れる自然豊かな土地です。ここはもともと農業がさかんで、地区の多くの人々が田んぼで稲作をしていました。ところが高齢化とともに農業から離れる農家さんが一軒、二軒と出てきてもう農地として使われない場所が出てきました。「このままでは土地が荒れていくだけでなく、この地域の活気も失われてしまう」集落を大切に思う人たちはそんなことを考えはじめました。
そして河内集落の人たちは動きはじめました。使われなくなった土地の中には背丈ほどの雑草が生い茂っているところもありました。地元の人々はもちろん、鳥取大学や大阪国際大学の生徒たちも集まってまず、土地の整備がはじまりました。炎天下でも来る日も来る日も草を刈り、多いときには30人ほどが集まってみんなで力を合わせて作業を続けました。除草が終わると土を耕して畝を作り、区画を整理し、やがて見事に整った畑ができあがりました。
地域の代表者が集まって、ここには果樹を植えようということになりました。果樹なら育てるのにそれほど手がかからないのと、なにより果物のなる集落は楽しそうでわくわくするという思いがありました。地元の人や大学生、子どもたちも手伝ってくれて、みんなで樹の苗を植えはじめました。もともとこの地域で育っていたいちじく、栗、柿などを中心にこれまで約800本の苗を植えました。ほかにも実験的にアーモンドやレモン、ヘーゼルナッツなども植えています。
果樹の苗は順調に大きくなっていちじくや栗や柿の実がなり、直売所での販売がスタート。いちじくはジャムやドライフルーツとして商品化し、地元や県外でも販売しています。2020年には「果樹の里山まつり」を開催。果樹の販売やフルーツ狩り、カフェの出店やコンサートも開かれ多くの人が訪れました。さらにこれから、果樹の収穫体験や里山を散策する「フットパス」などを企画しながらみんなが集まる里山としてますます発展していきたいと考えています。